JINCO×MIKI インタビュー★
愛らしいフォルムとキャラ設定でみんなをトリコにし社会現象にまでなった「たまごっち」など、数多くの人気キャラクターを手がけてきたJINCOと、女の子のリアルを歌って一世を風靡したSugarの「ウェディング・ベル」(現在放送中の月9ドラマ「婚カツ!」にも抜擢!)でもお馴染み、キュートな音楽と歌をてがけてきた笠松美樹。 いま、このふたりがガッツリと組んで作り出しているのが、「デコリョーシカ」。それぞれの得意技が凝縮されたクリエイティヴを惜しみなく投入し、かわいく軽やかに描き出した新境地ともいえる作品が、いよいよ満を持してネトアニ登場です!
ふたり

え~!
JINCO 「一緒に長くいると疲れる」って言われたことあります。
笠松 ちがうよ、「疲れる」なんて言ってないよ!
JINCO えっ?
笠松 正しくは「吸い取られる」(笑)。
JINCO 笠松さん、わたしに会った後によく寝込むって言ってましたよね。
笠松 JINCOさんは声が高いので、一緒に話していると、どんどん↑、わたしも↑↑、声が↑↑↑、高くなっちゃって↑↑↑↑。
JINCO 知らなかった! 笠松さんは最初から声が高いんだと思っていました(笑)。
デコリョーシカ=JINCO×笠松美樹の相乗効果
JINCO 「デコリョーシカ」の歌では、笠松さんにはいつも謎のオーダーばかりしてます。
笠松 JINCOさんらしい抽象的なリクエストをいただいています(笑)。
JINCO 「早口なのはどうでしょう?」、「ポップで黄色なかんじで」、「冒頭は静かがいいです」とか。さすがにいちばん初めは、わたしが好きなネットアニメ、たとえばちぃさんの「モフモフ」などを参考に見ていただいたり、そのほかに好きな歌をいくつか引っ張ってきたり、具体的なオーダーもしましたけど。それらを笠松さんがすべて汲み取って、全然ちがう「笠松流」のカタチにしてくれるんです。
笠松 あのときは、「ここは静かで」「ここはこういうかんじ」という、JINCOさんからのリクエストを忠実に再現していく方法で。そうすると頭とおしりはできたのに、真ん中が抜けちゃった。どうやってつなげようかなって最後まで考えていて、JINCOさんに「ここどんなかんじにしましょうか?」ってメールを送ったのを覚えてる。
JINCO でしたかねえ(笑)。
笠松 でしたよぉ(笑)。
JINCO 映像ができる前に、先に歌を作っていただいたんですよね。2話目以降は逆方式。
笠松 そこからは早いね。JINCOさんから絵が来たら、すぐ書きたくなっちゃう。
JINCO で、できあがりを一発聴いて、「カワイイ! 終了!」みたいな(笑)。
笠松 この人、感想が「カワイイ!」しかないんです。
JINCO 笠松さんが天才なので丸任せ(笑)。99パーセント打ち合わせはしないです。
笠松 メールで絵や音楽を送りあってのやりとりで作るよね。
JINCO 「絵に音がつくとこんなふうになるんだ!」って、その相乗効果の繰り返しというか。
笠松 何か音を入れてJINCOさんに返すと、その中の何かがヒントになって、JINCOさんがさらに盛り上げてくれる。それをまた見て、「ここまで盛り上げてきたんなら、負けるか!」って。
JINCO そうそう「うわっ、こんな音楽ついちゃったから、もっとカチャカチャさせなきゃ!」、「動かしとこ!」って。2話目以降は歌のペースに合わせて歌詞や絵をはめこんで、笠松さんに新たに歌をさしかえていただくという風に進めています。
笠松 そうそう、JINCOさんから送られてきた絵を見ると、毎回必ずひとつは明らかにヘンなところがあるんですよ。
JINCO えーっ?
笠松 たとえば1話目なら、海に浮かんで漂っているところとか。
JINCO あはは(笑)。
笠松 「えっ、えー?!」と思うと、そうすると一気に音楽が浮かんできちゃう。
JINCO そうやって、笠松さんに助けられて「デコリョーシカ」は生まれています。
ヒミツの呪文は「菊池桃子です☆」
笠松 「ここはデコリョー島☆」っていうようなセリフは、すべてJINCOさんの声をもらっています。
JINCO 家のクローゼットに篭もって、アフレコ風なことをしてデータを送りつけて。
笠松 そうそう、JINCOさんはセリフを録音する前に必ずすることがあるんですよ~。
JINCO キャー!!
笠松 かわいい声を出すために必ずやっていることがあるよね?
JINCO ……「菊池桃子です☆」(爆笑)。
笠松 だからセリフの声をもらうと、音源の前に必ず「こんにちはっ、菊池桃子です☆」ってのが入ってる(笑)。録る度に声のトーンが変わっちゃうと困るからだよね?
JINCO 自分のなかで、「キター! 菊池桃子だ!」となったら、かわいくイケるなあっていう工夫なんです!
笠松 だから、「ここの発音が聞き取れなかったのでもう一回ください」ってお願いすると、律儀に「菊池桃子です☆」からやってくれる。
JINCO たまに「あっ、ちがった、いまのは薬師丸ひろ子だった!」とか。
笠松 ごめんねえ、暴露しちゃった。
JINCO ぜんぜん似ていないので菊池桃子さんに申し訳ないんですけど(笑)。
笠松 そんなJINCOさんは、桃子ちゃん以上にかわいいですから。
「一緒にがんばりましょう! わたしなんてもっとひどいです!」
JINCO 歌詞は、わたしがお話と同時に作っています。自分がユメリョーシカになって歩いていたら、こんなことに出会いましたっていうところから。
笠松 ユメリョーシカはJINCOさんに近いよね。
JINCO まさにわたしの具現化。「こんなことあったらやだな」とか「どうしよう、困ったな」とか。ユメリョーシカは、トラブルが多い運命かなと勝手に思い込んでいるわたし自身かも。
笠松 JINCOさん、一度出かけると何か必ず起こすよね。
JINCO 不幸なのか笑いなのかわからないハプニングが何かしら起きちゃう。小心者なので、降ってきた災難は突き刺さったまま歩いていくほかなく……ユメリョーシカもそんなかんじの子です。
笠松 ううん、JINCOさんのほうがもっと大変だよ(笑)。
JINCO えーっ(否定できず)。
笠松 一緒に打ち合わせに出ていても、大丈夫かな?っていうくらいに「ハイ、わかりました☆」って言うし。
JINCO あはは!
笠松 えっ、今聞いてただけでも「明日までに」って6回は言ったよな、つまり今日は徹夜するんだろうなあって。「あっ、大丈夫です、やっておきますから☆」ってニコニコしながら言っちゃうでしょ。
JINCO そのときは「いける!」と思い込んでいるんですよ~。
笠松 「ハイ☆」って応えるのがクセになっちゃってるんだよね。
JINCO さすがに「今日じゅうに青森行ってコーラ買ってきて」と言われたら、家事も仕事もあるから無理って言いますけど(笑)。
笠松 そりゃそうだ。
JINCO というふうに、ユメちゃんは自分なんですけど(笑)。でもきっと似たような人、がんばればがんばるほど、ドンドン深い沼にはまっていくタイプの人はいっぱいいるんじゃないかなって思っていて。みんなそれぞれ悩みがありますよね。そんなときに、ユメリョーシカやデコリョーシカの存在が励みになったらいいですね。「自分も痛い目に遭ったけど、ユメリョーシカも健気に生きてるから、よーし明日もがんばろう!」みたいに、一瞬の気分転換にでもなったらいいなと思っています。
笠松 デコリョーシカに込めたメッセージだね。
JINCO ハイ。いつも伝えたいメッセージはあるんですけど、それをまともにやっちゃうと説法になっちゃう(笑)。
笠松 それをかわいい絵で応援しようと。
JINCO まさに「一緒にがんばりましょう! わたしなんてもっとひどいです!」っていうメッセージ。
笠松 そうです、コッチのほうがひどいです(笑)。
笠松さんの変わらぬ魅力、新たな魅力 ウチのお父さんもノックアウト!
笠松 JINCOさんに最初に会ったのは7年くらい前になるのかな?
JINCO 別の作品で笠松さんとお仕事ができて、当時たまたま家がご近所で、「ああ運命だわ」と。それからは全部わたしのほうから笠松さんにお仕事をお願いして、勝手にまとわりついています。
笠松 うふふ。
JINCO だって小学生のときに、テレビの前でSugarのモノマネしてましたもん。
笠松 キャー!
JINCO そう、父もSugarの大ファンなんですけど、まず何も教えないで「デコリョーシカ」の歌を聴かせたときに、「この歌手はダメだ!」って怒っちゃったんですよ。
笠松 えっ?
JINCO 「これはSugarのモノマネじゃないか!」って。
笠松 あはははは(爆笑)。
JINCO 「お父さんっ、これっ、本人です!」って言ったら、キョトーンとしちゃって。笠松さんは昔も今も変わらぬカワイイ声なので、デコリョーシカの歌も聴く人が聴けば絶対にわかっちゃう。ウチの父でも確実にわかっちゃうくらいに特徴的。お父さん、感動して、あわててアルバム探して家じゅうを漁ってましたよ。
笠松 うれしいですねえ。
JINCO 今、ドラマで「ウェディング・ベル」が使われていますけど、決まったと聞いたときにはわたしの方が勝手に舞い上がっちゃって。「どうしよう、主題歌に選ばれちゃった!」(笑)。
笠松 あははは。
JINCO テレビの前で「これ聴くまで今日は寝ない!」、「えっ、オープニングで流れない!」とかって大騒ぎ。さらにYouTubeで古い映像を探し出し、紅白歌合戦の映像を家族に見せちゃったりして。
笠松 JINCOさん、見てくれてますよねえ。
JINCO 「大変! 貴重な映像がまたアップされています!」って、笠松さんご本人にメールして。
笠松 あはは(笑)。
JINCO 今回のカヴァーをきっかけに、はじめてSugarを知る世代もいるじゃないですか。そんな若い人たちにもオリジナルの「ウェディング・ベル」はもちろん、声も歌もかわいい笠松さんのほかの歌や音楽もぜひ聴いてほしいです。……って、なんだかマネージャーみたい(笑)。
ネットアニメ、面白いです! インターネットというあそび場
JINCO わたしはインターネットやパソコンがなかったら、まずこの仕事はしていないなあ。会社後に学校に通ってホームページを作るところからはじめて、そこにキャラクターを載せて配信していたらお仕事のメールが来たというのが発端で、それから8年。今も常にブラウザが4個くらい立ち上がっている状態です。……電気が止まったら終わりだなぁ。
笠松 JINCOさんはマシンがたまに壊れるんだよねえ。
JINCO マシンは代用できるからなんとかなるんですけど、でも電気が止まったらインターネットができなくて、情報も途絶えるから、孤島に住む人みたいになっちゃう。
笠松 インターネットはお友だちって感じ。作品をこういうふうに発信するのははじめてだったんですけど、みんながリアルに感想を書いてくれるのがわかりやすくて楽しい! これまでネットアニメも知らなかったんですけど、も~、面白いなって。次から次にいろんなところに飛んで、ずーっと見ちゃってます。
JINCO 笠松さんはなにが好き?
笠松 ほら、子どもの声の(高い声でモノマネ)。
JINCO 「いぬかい部長」ですね! かわいい!
笠松 あと、ちぃさんの「モフモフ」も!
JINCO インターネットは自分の好きなときに自分の検索次第でどんどん掘り出せますもんね。研究のために見るものもあれば、純粋に楽しんで見るものもあって、うん、ほぼ視聴者かな(笑)。ラレコさんの「やわらか戦車」を最初見たときも、「うわ、なんかすごいの出てきちゃったよ~」って衝動的な出会いでしたよ。で、純粋に面白がって、そのあと落ち込む(笑)。「落ち込んだから、今日はお好み焼き屋に行って気晴らしをしよう!」と家族でゴハンを食べに行っちゃったりとか。こうやって他のクリエイターさんの作品から洗礼を受けることで「よーし、がんばるぞー!」って気もちにもなります。
笠松 インターネットで作品を発表するってこと自体も面白いよね。
JINCO 自分がやりたいことを自由にカタチにできて、そのまま見て聴いてもらえるっていうすてきな場所。ハドソンさんも「面白いからいいですよ」って、みんな温かいひとばかりで、ほんと、いろいろ許してもらってます(笑)。
笠松 そういえば前に「デコリョーシカ」に戦車が出てきたことがあったよね。
JINCO あー!
笠松 最初に見たときに「これがやわらかかったらいいのにな~」なんて思ったりしたんですね(笑)。あれ絶対アプローチしていたでしょ?
JINCO 「戦車出しちゃお☆」みたいな。
笠松 「リスペクトしちゃお☆」みたいな。
JINCO デコリョーシカが「やわらか戦車」の戦場に行ってしまうとか。
笠松 それいいね。
JINCO あと、モフさんの上に乗せていただいたりとか。
笠松 「すいません、出てきちゃって~☆」って。
JINCO グッズ展開も考えてはいますけど、やっぱりデコリョーシカは笠松さんの歌あっての作品なので、歌の世界観と一緒に動いていってほしいという野望があります。実際にデコリョーシカが動いたり話したり困ったり、その感じがよく伝わるような展開ができたらいいな。歌と音楽を楽しめるようにDVDにしちゃうとか。
笠松 あとは先方がイヤじゃなければ、ぜひ戦場に(笑)。
JINCO いろんなところに旅をさせてあげたいです。巨大ビジネスというよりも、「遠くに行ってもがんばれ!」みたいな親心で。
次回予告! デコリョーシカでも、実はピクサー並み(?)の環境です(笑)
笠松 JINCOさん、次回予告!
JINCO (えっ!)
笠松 あの声の正体は、JINCOさんの息子さんなんだよね。
JINCO ああ~、いまここで「じかいよこく、みてねっ」ってあの声をやれと言われたのかと思った。
笠松 言ってないから!
JINCO そう、息子がノリノリでやっています。以前からアフレコにも連れていっていて、プロの現場を見学していたので、アフレコの意味がわかっていたみたいで。当時まだ四歳だったんですけど、ふつうの声でしゃべってもらおうと思っていたのに、突然「じかいよこく!」とかって(笑)。
笠松 声作っちゃった(笑)。
JINCO 頼んだら、「今日はちょっと声の調子が悪いんで」って断られました。
笠松 プロだねえ。
JINCO どうも「いぬかい部長」をライバル視してるみたい(笑)。
笠松 そして映像も実は!
JINCO 絵はわたしですが、動画は全部主人がやってくれています。
笠松 かなり高度なCG入ってますよね。
JINCO もう、頼んでないのに使っちゃう。恐ろしく高い機材を使ってますよ、ピクサーに問い合わせて、激高のソフト買っちゃうし。「次のデコリョーシカを作るのに、このソフトがどうしても必要なんだよ!」とか言われちゃって。「それいくらするの?」「ウン十万円」「デコリョーシカのこのシーンにウン十万円かよ!」みたいな(笑)。
笠松 チアリョーシカが持っているボンボンは3Dです!
JINCO ハイ、これはピクサーで使っているソフトです(笑)。クリエイターの方には、それぞれのシーンの動きをどんな環境で作っているか、ぜひ当てていただいたりして。隠れたつまんない技に気づいてくれる人がいればうれしいかな。
笠松 今回はどこに凝ったでしょう? と。
JINCO 「この細かなどーでもいいところにすごい苦労したんです!」、「ほらっ、この船の揺らし方の角度で家族で揉めたんです!」とか。
笠松 大変だね(笑)。
JINCO 飽きちゃったなって思われないよう、ちょっとずつ変えていきたいですよね。
笠松 そうだね。わたしは飽きっぽいので、マイナーチェンジでもメジャーチェンジでも、毎回ガンガン変えています。JINCOさんはこういう性格だから、「ま、いいっかあ☆」って言っちゃうし。
JINCO ハイ、変えちゃってください(笑)。
笠松 いっそのこと、メロディも変えちゃおっかなー(笑)。
JINCO あ、でも今回作ってるのは、ちょっと変えてますよね?
笠松 っていうか……
JINCO どうしたんですか?
笠松 前のデータに上書きしたら、オリジナルが無くなっちゃったの!
JINCO ちょっとー! 上書きしないでくださいよー(笑)。

☆デコデコタウン 「デコリョーシカ」
http://deco-town.jp/anime/index.html
YouTube/ニコ動にて、毎月25日頃新作配信中

☆ライブドアネトアニ  「しましまくまくま」
http://anime.livedoor.com/